元工藤会系の暴力団組員和田和人被告に懲役18年8カ月
北九州市の特定危険指定暴力団工藤会が一般市民を襲撃した事件で、組織犯罪処罰法違反(組織的な殺人未遂)などの罪に問われてた元工藤会傘下の組員の和田和人被告(38)の判決が3月22日に福岡地方裁判所で行われた。
「工藤会トップの指揮命令に従い、元警部や歯科医を殺害しようとした。極めて組織的かつ計画的な犯行」と松藤和博裁判長は懲役18年8カ月を言い渡した。
※検察側の求刑は懲役20年
目次
和田和人被告が関与した事件
①2012年4月、北九州市小倉南区の路上で福岡県警元警部の男性が銃撃され重傷を負った事件で、人を殺害するような事態の発生を認識して関与し、実行役を送迎するなどした。
②2012年8月、暴力団排除の標章を掲げた店が入る同市小倉北区のビルのエレベーターに発炎筒を投げ込んで放火した。
③2014年5月に小倉北区の駐車場で歯科医の男性が刺され重傷を負った事件に、人を死亡させる危険を伴う認識を持って関与し、実行役を送迎するなどした。
和田和人被告は「総裁の野村悟被告(70)の意思決定による犯行で、指揮命令に基づき、あらかじめ定められた役割分担に従って実行された」と関与を強調した。
和田和人被告は3つの事件への関与を認めたうえで殺意を否認していたが、判決では、殺意のある実行役と共謀した点や、10年以上も組員として活動し、過去に組員らが工藤会のために殺人事件を起こしたことを見聞きしていた点を指摘し和田和人被告の殺意を認めた。
和田和人被告が関与した事件の指揮者
元警部への銃撃事件、歯科医への傷害事件は野村悟総裁の指揮命令
ビル放火事件は工藤会ナンバー3の菊地敬吾被告(44)らの指示
※菊地敬吾被告(44)=非現住建造物等放火罪などで起訴